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2011年1月20日、映像市民メディアの草分け、OurPlanet-TVの白石草さんのインタビューです。
白石草(はじめ)さんは、テレビ朝日系列のプロダクションでビデオ・エンジニアから、当初ビデオ・ジャーナリズムに挑戦していたTOKYO MX(東京の地方局)に転職。その後、2001年にOurPlanet-TVを立ち上げたという経歴の持ち主。その過程は、技術の進化とともに激変するメディア状況の歴史に重なります。岩上安身と白石さんが寡占メディアから市民メディアへ、可能性を語ります。
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白石氏によると、メディア状況が変わったきっかけの1つは、1995年にデジタルビデオが発売されたことだという。それまで、プロだけしか行えなかった映像の録画・編集作業が、少しの機材を使うだけで一般の人にもできるようになってきた。その後10年で、映像関係の技術とインターネット環境は激変した。それに伴い、メディアのあり方も大きく変わりつつある。
既存メディアであるテレビ局の番組制作は、分業化が進みすぎて、番組の「署名性」が失われている。カメラマンは撮ったビデオをディレクターに渡したあと、どのような形で放送されるのか知らない。一方、ビデオジャーナリストは、企画・取材・編集を一人で責任をもって行うのが基本だ。そのため、テーマ・表現手法などが異なる、多様な番組が制作できる。
かつてビデオ・ジャーナリズム番組を多く制作していたTOKYO MXは、やがて「お金にならない」という理由で、報道番組を縮小していった。白石氏は、既存テレビ局では、記者個人の視点で制作された番組を放送することはなく、署名性のあるジャーナリズムは成立し得ないと説明する。
2005年頃から、ブロードバンド環境が整ってきたことにより、作れる人だけでなく、見る人も増えてきた。今の大手メディアは、かつてのように、若手のライターが育っていける環境ではなく、映画の世界も同様である。「作品」はそれが何であれ、「誰」によって支えられているのかで、視点・方向性が大きく変わるものだ。既存の仕組みを通さず、ダイレクトに市民に支えられる情報伝達は、存在し得るのか。今、すべてのジャンルの表現者が、新しい仕組みにトライし始めている。